東洋アソシエイツ No.66000 精密ミニ旋盤 Compact7
2017年2月に購入しました。
このページはヤフオク出品の参考ページを兼ねています。いました。
(2017/08)オークション終了いたしました。
アクセス総数が1440は驚きました。(延べ人数だと思います。)
そしてアフェリエイトからは意外に少なかったです。
最初の出品は入札0で再出品で入札となりました。
アクセス数は最初の出品との合算のようです。
製造元はSIEGという中国(上海)のメーカーで世界各社にOEMで供給しています。
Compact7はSIEGで言うところのC1 Micro Latheです。
重量23kgと何とか移動できる重さなので家の中で持ち運べます。(力があれば)
でも一応は工作機械、据え付けが基本だから取っ手がありません。
150Wと小パワーですが、被削材が鉄でも正爪でチャックできる範囲の大きさなら十分です。
(材料、刃の状態、切り込み、送り、回転速度などが影響するので一概に言えません。)
しかし、それ以上の大径ワークになると過負荷による停止が頻繁に発生することになります。
そして過負荷が発生すると大抵はバイトが被削材に食った状態になるので仕上がりに影響します。
クロススライドテーブルに2本のTスロットがあるので応用的な加工がしやすく、
「ミニ旋盤マスターブック」という書籍ではCompact7を使っていろいろな加工方法が紹介されています。
旋盤の使い方に幅がでる、お勧めの書籍です。
私はKindle版で買ってしまいましたが、紙媒体の方がお勧めです。
<<< amazonの商品ページ
主軸にエンドミルを付けてフライスの様に使おうとしましたがワークの固定が弱くて失敗しました。
しっかりと固定できる冶具を作るのが良いと思いますが、
卵が先か鶏が先か、みたいなことになりまして
卓上フライス(X1)も購入することになりました。(;´д`)
それでも複式刃物台よりもTスロットのベースの方が変わった工作がしやすいことには違いありません。
テーパー加工がしたくなったら後からスライドを購入できます。
それから、CNC化のしやすい機体です…手元に残してもよかったと今になってちょっと悔やんでます。
調整の苦労
中国製の卓上旋盤は仕上げを省略されているので
ちゃんとしたメーカーから買わねばと思いつつ東洋アソシエイツのCompact7を購入したのですが、ハズレでした。
クロススライドがジブを取り除いても半分から奥が食っていて、
これがハンドルが重い程度ならよいのですが、ストロークエンドまで行けない程でした。
他が問題無かったので修正することにしました。(もっとやばい個体が来ても困るので…)
食っている個所を探りながらのやすりがけでおよそ一日がかりでした。
使っているうちにあたりが出ることに期待してハンドルが少し重い程度で辞めときました。
(2017/07/24追記)
当たりが出て現在は気にならない程度です。
徐々に当たりが出てきて、都度ジブ調整を行っていました。
ジブ調整は慣れです。
(2019/04/15追記)
ヤスリよりもキサゲ+オイルストーンの方が効率よく調整できます。
赤いのは関係ない所に拭き残っていた光明丹です。(この作業にはマジックインキで当たりを見る方が向いています。)
SIEGの卓上工作機は仕上工にあたる作業がなされていないのでチェックもありません。
卓上フライス(X1)ではジブがズッコケていて面で当たってませんでした。(後日投稿予定)
卓上旋盤C2?(CJ0618A)は電装のリレーの角が親ネジに接触、しかも間に配線を挟んでいるというおまけつき。
必ず何かあるようです。
2017/7/19追記 CJ0618AはSIEGではなくYangzhou Realbull Machinery Co.,Ltd.製と判明
10mmシャンク用にポスト作成
スローアウェイバイトを購入するにあたり、強度が欲しくてデフォルトの8mmではなく10mmシャンクを選んだために必要になりました。
あと流通量が若干10mmのほうが多い。(品数の差)
スローアウェイバイトを早く使いたかったので安直な固定ポストにしました。
より大きいシャンクに備えて反対側はブランク。
念のため刃高をジャストより下げて作ってあるので1mm+αのスケイタを使います。
Tスロットナットとボルトはデフォルトのツールポストのものを使用します。
10mmサイズの内径ボーリングバイトは下穴最小径10mmから使用できますが、シャンクは8mmです。
(2017/07/26追記)
この敷板はS10K-SCLCR06(内径ボーリングバイト)用に作成しました。下穴最小径11mm、シャンク9mmです。
付属するS10K-SDUCR07(内径ボーリングバイト)の下穴最小径13mm、シャンク9mmと
シャンクが一致するので付属するS10K-SDUCR07で使用可能です。
今の今まで下穴最小径10mmと思い込んでいました。どおりで入らなかったわけです。
おかしいと思ったら確認しなおすべきでしたが、横に穴をチビチビ広げながら使ってました。
(それでも可能な限り大きい穴を開けておくべきで、(下穴半径+目標半径)>内径バイトの下穴最小径の関係がおよそ成り立つ場合でないと無理でした。目標半径が大きかったので気にしていませんでした。 2017/08/03追記)
付属するドリルチャックは把持可能な最大サイズは10mmまでなので、
もしスムーズにやるには13mm以上のノスドリルまたはテーパーシャンクドリルまたは、13mm以上のドリルチャックあたりが必要です。
(追記ここまで)
刃高も他とは違うのでツールポストの下に敷板を入れてます。
この時、デフォルトのボルトだと敷板の分だけ足りなくなるので、写真のボルト+ワッシャを使っています。
内径ボーリングは特に慎重に刃高を合わせる必要があります。(最小径である10mm13mmから広げる場合は特に)
(写真では自作の10mmポストと敷板を組み合わせていますが、
デフォルトのポストとの組み合わせだったかもしれません。
組み合わせて刃高を確認ください。スケイタが必要だったはずです。)
(2018/04/12 追記)
下穴径がさらに誤っていました。
S10K-SCLCR06は下穴最小径13mm
S10K-SDUCR07は下穴最小径15mm
二重三重の誤りで上記追記を全面的に取り消し線しました。
どちらのボーリングバイトもCompact7に適さず、より小さいサイズの必要がありました。
お詫びして訂正させていただきます。
φ100 四つ爪チャック購入
デフォルトではφ80の三つ爪チャックが付いていました。
異形の被削材のために四つ爪を検討しました。
ベッド上振りと相談してφ100としました。
バックプレートはCompact7で作成しました。
当然チャックと同じ大きさになるので、出力的にとても大変でした。
大径ワークは切削抵抗を極小にしないと過負荷による停止が頻繁に起こります。
バックプレートだから最初は主軸に直接取り付けて加工していたのですが
主軸に熱が伝わるため主軸が伸び、太ります。結果、負荷が増えます。
大径のワークだったので負荷の変動から気付きましたが、小さいワークを主軸に直付けあるいは面板使用の場合は要注意です。
今回は丸棒を主軸の形状に加工した冶具をチャックすることで解決しました。(仕上げの時だけ主軸に取り付けて加工。)
チャックが放熱器の役割を担っていたとは。
出来たものは取り付け穴位置が合わなかったのでガタを大きくすることになりましたが、
結果的に調整代となりました。
取り付けにはダイヤルゲージとマグネットベースが必須です。(付属していません。)
どのみち四つ爪チャックを使う際はワークのセンターをダイヤルゲージを使って出す必要がありますのでご用意ください。
センターをちゃんと出せばそれほど振動はしません。
ちなみに怖くて最大速度で使った事はありません。
(卓上旋盤、卓上フライスはしっかりした台に取り付けるべきです。操作性も強度も変わります。)
サーメットのチップを使って高速、ドライ切削したのでツルツルですが、
バックプレートの外周に一つ傷があります。
バックプレート制作時に板から切り出す際にぎりぎりまでバンドソーでがんばったら、切り込んでしまったものです。
この傷のおかげでバックプレート取り付けの調整が少しやりにくいです。
後から思えば何かで埋めれば良かったのですが、そのままとなっています。
結構な大きさの違い。
三つ爪チャックはほとんどガタ無く主軸に取り付けられます。
よってダイヤルゲージ等での調整は不要です。(そもそも調整しろがありません。)
機構上、振れがありますが、削り終わるまでワークを持ち替えなければ問題ありません。
ちなみに、ゆるくチャックしてゆっくり回しながらタイミングを合わせてワークをプラハンで軽くコツコツと叩いてやればそれなりに出せます。(四つ爪には及びませんが)
送り切り替えノブ破損
送り切り替え(手動⇔自動送り)ノブが取れちゃいました。
今思えば砕けた樹脂パーツがパネル下に落ちていることがあった。(これだったのね)
購入当初から少しずつ砕けていたみたい。
気を取り直してノブを制作。
黄色の感電マークが貼ってある板が外せて、内部にアクセスできる。
内側にてM5ネジで止めました。だからデフォルトのノブと違って引っ張っても抜けません。
シンプル!(…)
(2017/07/24追記)M5で軸に止め付けました。が正解。ハリボテではないです。
ローレット加工すればよかったのですが、まだやったことありません。
この径ならローレット無くてもちゃんと回せます。
赤い丸は窪みにクレヨンです。メタルクリーナーで取れちゃいます。
スローアウェイバイトとチップ
これまで使ってたスローアウェイチップはCCMT060202でした。
(刃先角度80°のひし形、逃げ7°、精度M、取り付け方法T、チップサイズ06、チップ厚02、コーナー半径02)
刃が食い込む面積(≒切粉の断面積)を小さくすることが切削抵抗低減に繋がるので、
刃先角度とコーナー半径は小さいことがポイントです。
(それ以外の項目はバイトサイズ、流通性から選択はおのずと限られる。)
コーナー半径は 入手しやすい一番小さい半径で02(0.203mm)で決まり。
刃先角度80°を選んだのは突込み(くさび効果)や強度を心配してのことでした。
しかし、実際に使ってみると卓上旋盤では切り込みが小さいので無用の心配であったとわかりました。
そして今回、更なる低抵抗のために刃先角度を55°を新たに購入しました。
刃先角度80°の方をComapct7に付属するのは忍びないので
55°を2セットを購入し1セットを付属することにしました。
以降のテストは自分用のセットを使用していますので付属するのは完全に新品です。
ところで選定には「スローアウェイチップの選び方・使い方」という本が役立ちました。おすすめです。
バイトもチップも中国製ですが、どのみち国内のショップから買ってもメーカーが無記名のものは中国製でしょう。
上から内径、右勝手、剣、突切りホルダです。
テストした主観ですが、抵抗は少ない感じがします。
特に段付き部分に残してしまった肉を落とすのがやりすかったです。
壊れたノブの制作でも使用することになりましたが、刃先の寿命になるほどは使えてません。
超硬なのでチップの耐久性はそれなりにあります。
ただし、内径削りでは切粉を咬み込むと欠けることがありました。(内径削りは頻繁に掃除が必要です。)
肌は刃先角度80°のものより粗い気がしますが下の写真の様に角度を寝かせるとよくなりました。(そうすると切削抵抗は80°と変わらなくなってしまいますが)
写真の被削材はs45cd φ6弱 長さ15cmくらい 回転センター使用です。
しなりで中央より少し右あたりが直径で0.06太くなりました。(チャック側の方が強いので少し右が太い)
左右では0.01以下に入っていました。
本来なら移動触れ止めを付けるべきかもしれません。(持ってないません。)
これまでロー付けバイトでの突切りが苦手で、バンドソーに頼っていました。
お手本とするバイトを持っていないこともあって、刃の形状と幅が原因と考えていました。
そこでスローアウェイでは幅1.5mmという細目のチップを選択してみました。
上のテストと同様にあまり切粉はつながりませんでしたが、このスローアウェイバイトで突切りの難易度が下がったように思います。
間違いがあるかもしれませんが、敢えて自分が感じたコツを書きますと。
0.刃高を合わせる。材料に直角にセット。刃はエッジが鋭く、材料に平行なこと。
1.刃が入っていかない状態で弱く押し続けない。加工硬化を生み、余計に刃が入れなくなるので最初のちょっとだけグイッと入れ込む。
2.常に切粉が出ている状態を持続する。
3.モーター音の変化で力の加わりを感じながら送る。旋盤によりますが100RPM前後がやりやすいかな。
1の状態になりやすい感じを受けたため切削液は使いませんでした。
切り込んだ後は垂らした方が良いかもしれませんが、何分余裕がなくて…。
突っ切りは慣れてからにした方が良いと思います。
PC9030 幅1.5mmのチップです。
販売のページでは画像が悪くて切れ刃が丸い印象を受けましたが、
ちゃんと刃になってました。
ホーニングやランドが大きいと、切り込みが浅い卓上旋盤に向かないので気になってました。
(2017/07/29追記)
被削材SS400でしばらく使っていると、やっぱり切れが今一つに感じてリューター+ダイヤモンドディスクで成形しました。
角のRが大きいので逃げ面を大きめに削り、ピン角にしました。
そうすると、切れ刃にチップブレーカーの突起が来てしまうので、それも削りとりましたが、
すくい角は変更しませんでした。
これでかなり切れるようになりました。
今度、単独のページにまとめようと思います。(追記ここまで)
ネジを緩めてあっても奥までチップが入らず、バリがありました。
おそらくチップを嵌める確認はしていないと思われます。(中華製 安さの公差内というところでしょうか)
オイルストーンで磨いてチップは入るようになりましたが、外す際はまだ硬いです。
ペンチで引き抜ける程度にしました。
チャックを覆う透明カバーのセンサ
テープが巻いてある棒に透明カバーが付いてました。
この棒がカバー閉の位置(写真の位置)にないと主軸が回転しません。
正逆切り替えをF,ボリュームを回して主軸が回転しない時はこの棒と非常停止SWを疑います。
透明カバーを外しているので本来ならありえない範囲まで棒が回ってしまってセンサの範囲を外れた場合などにまれに主軸が回転しないことがあります。
棒をすこし回しては正逆切り替えをFにしてボリュームをひねり、正逆切り替えを停止にするという操作で主軸が動き出すまでセンサ位置を探ります。
この棒のセンサの存在を忘れないようにお気を付けください。
(2017/07/24追記)
テープは棒が見やすいようにつけてあります。手をぶつけるので。
傷など
傷は生きた証。(スティーブジョブズさんがそんなことを言っていた)
芯押し台上部の傷、使う前からある傷は中華の証。
画面中央 ベッドのエッジに小さな傷
オイルストーンでさらってあります。
テーブル上に傷沢山
あとテーブルが写真のあたりで横縦に送るとたまにキーキー鳴る時があります。
親ネジにシリコンスプレーを吹き付けても変わりませんでした。(違うところが鳴いている?)
気になるけど気にせず使ってました。(…)
(2017/07/24追記)横と縦を誤りました。旋盤における縦方向とは写真の左右方向です。
写真左上、
傷というほどではありませんが、ベッドにL字の跡があります。(手で触ってもわかりません。)
ベルトはほとんど減っていないと思います。
送り切り替えノブを手動にしていても自動送りのギアは最終段で外されるだけなので、意味なく回って摩耗してしまいます。
それで大抵はギアトレインのアームごと主軸から切り離して使っていました。
したがってギアもまっさらのはず。
梱包前にかみ合わせた状態にして回転を確認しました。
出品物
(誤りはないと思いますが、ヤフオクシステムで表示されるページを優先します。)
旋盤本体
芯押し台
三つ爪チャック、バックプレート
三つ爪チャック用逆爪
三つ爪チャック回し
四つ爪チャック(インディペンデント)、バックプレート(自作)
四つ爪チャック回し
工具一式、Tスロットナット2個
MT1 ドリルチャック、 回し
MT1 固定センター
MT1 回転センター
ツールポスト(デフォルト 8mmシャンク)
ツールポスト(自作 10mmシャンク)
内径用下駄、ボルトナット(自作)
スケイタ (使ってたもの、何枚だったか忘れました。)
ロー付けバイト(新品 超硬?不明)
剣バイト(中古 ハイス)
スローアウェイチップ(55° 新品10個)
スローアウェイチップ(突切り 新品4個)
S10K-SDUCR07(内径ボーリングホルダ 新品)
SDNCN1010H07(剣ホルダ 新品)
SDJCR1010H07(右勝手ホルダ 新品)
MGEHR10100-1.5(突切りホルダ 新品)
スローアウェイチップとりつけ工具
取説、ヒューズ、保証書
運送会社はヤマトのみです。
既に梱包済みで、木枠梱包 22Kg、ダンボール箱 12Kg の2個口で発送いたします。
埼玉からの出荷で 100サイズ+160サイズの合計となります。
軽くするため芯押し台、チャックは外してダンボール箱の方に入れてあります。
ダイヤルゲージをお持ちでなければ三つ爪チャックを装着してください。
(四つ爪チャック取り付けにはダイヤルゲージとマグネットベースが必要です。)
到着したら各摺り面にオイルを塗布してください。(掃除の際に拭きとってありますので)
最後に、
使用期間は5ヶ月弱と短かったですが、
この旋盤がお役に立てることを願います。