ベンチグラインダーの砥石の面振れを調整

ちょっと実験。

旋盤で普段使うバイトはスローアウェイなのでチップ交換するだけ、グラインダを使う事が無かったのですが
ハイスの完成バイトからネジ切りバイトを作る必要に迫られてグラインダーを使うことになりました。
でも購入してあったグラインダはおもいきり振れてるんです。
以前にもトライしたことはあったのですが、調整できずに諦めていました。
で久々にグラインダーを動かすとやっぱり振れてます。(あたりまえか)

ここで言う振れは左右のものです。
軸を見る限りは偏心していません。
ネットで探しましたがバランスについてしか見つかりませんでした。
左右の振れはマシンか砥石がNGということでしょうか?

今回はもっと突っ込んでブレの原因を探ることにして
まずは砥石を両方とも取り外して片方ずつ調整することに。

ナットの面に倣っていると、とりあえず決めつけてナットの接触面をテーパーに削ってみました。
旋盤を使用してテーパーをつけるのですが、角度は10°くらいとしました。
パッと見では気付かない程度です。

ナットが直に砥石に食い込むわけではないのでくさび効果で砥石が破損することは無さそうです。(間に鉄板フランジが入っている)
フランジにはナットが当たる部分に最初からわずかにくぼみがあって
テーパーによってナットがそこに収まる形となりました。

削ったナットのテーパー面を使ってみると、
やっぱり触れました…。

砥石はガッチガチに締めなくても回転方向のため緩まないというのを何かで聞いていたので
(むしろ、強く締めすぎると破砕する可能性がある。)
なんとなく、結構ゆるゆるの状態で瞬間的に電源をON→OFFを何度かしていると
勝手に締まって振れも収まりました。
怖いのでそこから少し増し締めしました。
粗い左側は手で最初の位置を変えて何度か試すとそれなりに出ました。

定規を当てて振れを見ると
粗目(左側)で±0.4mmくらい。(触れてるけど前はもっと酷かった)
仕上目(右側)では測定限界(振れていないと見てよい感じ)
前後方向の振れも一緒にほとんど無くなって振動も減りました。
以前はコンクリートの上に置くと振動で移動するほどでした。

結局、テーパーが良かったのか、締め加減が良かったのかはわかりません。

グラインダの精度が出たおかげで目的だったネジ切りバイトはとりあえず思ったようにできました。
ナットのテーパー化は安全上本当にやってよかったのか、効果があったかは不明です。

グラインダーは砥石が破損すると命に係わることもあるそうです。
よって法令により事業所においては特別教育受講者でないと砥石交換してはいけないそうです。
個人の場合も自己責任にてお願いします。

瞬間的に電源のON→OFFを行うのは増し締めの意味でも普段からやった方が良さそうです。
カバーを付けると簡単にはナットにアクセスできないから使う度に確認するわけにもいかないので。
(2017/07/27追記)後から思ったのですが、ナットが締まる理由は
ディスクの滑りでナットが回されているからではないかと。
(加速はそれほどでもないので)

あと調査してて知ったのですが、砥石の側面は弱いから使ってはいけないそうです。

DSC_0305-s

 

(2017/07/27 追記)
ハイスバイトを研ぐのにはWA砥石が良いと知り、
早速Amazonで購入しました。
卓上旋盤のバイトは小さいので砥石の幅は13mmにしました。
うちのグラインダは砥石の幅19mm用なので軸のネジ部が足りず、
旋盤でスペーサー兼フランジを作りました。DSC_0007-s
デフォルトのフランジ径は59mm、作成したのは40mmと、径が足りていないので
砥石に横方向の力を加えないようにまた、体が前に居ないよう気を付けます。
ホントに自己責任。

元の砥石を取り外してモーター側のフランジをよくよく見たら、
軸とフランジの接触がとても小さいことがわかりました。
もしかすると、この部分では砥石の面振れを押さえるつもりは無く、
どちらかと言うとナット側のフランジに倣わせる意図があるのかもしれません。

今回も、手で砥石を押さえてナットを絞めても振れが抑えられなかったので前述の手法をとることにしました。
ただ前回試したテーパーの効果が疑問だったため
今回の自作フランジにはテーパーを受ける部分を作りませんでした。
なのでナットの通常の面を使用しています。
ナットがやや緩んだ状態から電源ON、2秒くらいでOFFを行うこと10回くらいで面振れが無い状態を出せました。
実は5回目くらいで出せたのですが、ナットを増し締めしないで電源ONしたら
そこからまた滑って振れてしまったのでした。
(面振れはとれましたが、径方向の偏心があったので、それはドレッサーで修正しようと思います。)

ナットゆるゆる状態からの回転による面振れとりは、
単なるランダムなのだろうか?それにしては10回もやればうまく決まる時が1回はあり、
それも妙に綺麗に決まります。

ある条件のもとでは面振れが収まる方向に向かう
物理的自動制御メカニズムが隠れているかもしれません。

 

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