SFU1204 中華ボールねじ C7を購入

ほとんど旋盤でのネジの切り方の話になってしまいました。

卓上フライスX1の記事をまだ書いていないのに
先にX1のCNC化に使うボールねじの投稿です。
このボールねじを使ってCNC化しました。→ X-1 CNC化

このボールねじのグレードはC7ということで搬送用途一般用を意味します。
位置決め用ではありません。
用途によって精度も値段も凄く違います。

まず第一印象は手で回すとちょっとゴリゴリする。
ボール同士が押し合っている感じ。
でもバックラッシュはどの位置でも感じませんでした。(手では)
実際はテーブルの摩擦+慣性力+αが加わるので、
フリーの状態で手回しても無意味かもしれません。

CNCの送りねじに使いました。
結果としては
無負荷だとバックラッシュは0.03くらいです。
アリミゾ調整を結構重くすると0.06となりました。

バックラッシュを抜きにしても、位置精度があまり良くありません。
0.1づつ5mmくらいの距離を移動させると、最大0.03くらいのズレが行って戻ります。
ピッチ4mmですがなぜか周期が5mmくらい。中のボールが関係しているのかな?
測定は0.001のダイヤルゲージをフレキシブルでない固定具で行いました。
アリミゾを手回しではありえないくらいきつくしているので負荷は相当高い状態だと思います。

卓上旋盤もCNC化しようと考えていますが、これは使わないつもりです。
ピッチが4mmもありますし、0.005動かすのは無理かなと、
ちなみに所有の卓上旋盤は横送りのネジピッチは1mmです。

さて、ここからは中華プロダクトにお決まりのつまらない不具合のお話しです。
BK/BF10 というベアリングホルダ用に端が加工されているので
そのスレッドを使おうと思っていたのですが、
X軸とZ軸に使用する2本ともナットが入りません。
Y軸用のは注文先が違ったからかちゃんと入りました。

M10 1.0pitch という細目ネジでもあまりないネジなのですが、
スレッドの外径を測ると9.9mm
ナットが入るわけもありません。(しかるべき数値は知りませんが、少なくとも)外径が問題ではなく谷側の問題でした。

旋盤でのスレッド切り直しになりました。
実は人生初のネジ切りです。

まずはボールナットをボールねじから外すのですが、
そのまま外すとベアリングが転がり出てしまうので
まずは端材でスリーブを作成。
ボールねじの端からスリーブ側にボールナットを慎重に受け渡して
スリーブが外れないよう結束バンドで縛ります。

DSC_0002TT-s

実はボールナットのみを単独で買えばナットは写真の状態で購入できます。
でもなぜかシャフト単独で売っているのは見たことがありません。(中華ボールねじでは)

続いては60 Degree Center Gage 送料込みで100円程度
理解不能なお値段です。DSC_0001TT-s安いですが、精度は十分でした。DSC_0003T-s完成バイトをゲージに合うように両頭グラインダーで削ります。(グラインダーの調整でひと手間ありました。)
光源に向けて透かし見るとゲージとの隙間がわかりやすいです。
こちらの書籍によれば、ピッチが1.5mmを越えなければ、すくい面による角度のズレを気にしなくてOKとのこと。

了解。

 

まっすぐV字に食い込むと抵抗が大きく、くさび効果でハマり込むこともあるので
複式刃物台を分度器で30°に傾けます。
これでスレッド形状がV字でも片面にだけ切り込むことになります。(左の刃だけ切り込むということ)
旋盤についてた目安の角度目盛りはアバウトすぎるので取り外して分度器(プロトラクター)を使います。
DSC_0003TT-sぴたっと簡単に30°
このプロトラクターも今回はじめて使いました。
2本竿なのでやりやすかったです。

 

自動送りのギアを取説通りに1.0pitchの組み合わせに交換します。

ボールねじにはチャックの傷が付かないように紙を何重にもぎゅっと巻きました。
そのせいかチャックすると傾きが収束しません。

そこで作戦変更。
できるだけ長く突き出して遠くの芯押しセンターに合わせとけば
チャックの調整は多少ズレてても幾何的に誤差が減るだろうと。
あと多少しなりに吸収させられます。
強度的にあまりよろしくありませんが、結果オーライでした。

DSC_0309-s

DSC_0006-s

先ほどのセンターゲージをワークと刃の間に合わせてバイトの角度を固定。(写真撮り忘れで違うワーク)

 

実はチャックを滑らせてしまい、危なくスレッドを壊すところでした。
回転は極遅く、左手は常にスピードつまみ。(焦って右に回さないように超集中)
チャックを手回しすればよいのですが、この時は知りませんでした。
0.1mm以下で切り込むこと数回で現物のナットに合いました。DSC_0005TT-s

ちなみに、ネジ切りダイヤルインジケータを使おうと思って
刃先を合わせる前にセットしておいたのですが
結局、戻す時も刃物台は親ネジから外しませんでした。(もちろん刃は逃がしました。)
原理はなんとなくわかりますがズレるのが怖くて…。

一回やれば2本目は簡単でした。

(おしまい)

広告

広告

One thought on “SFU1204 中華ボールねじ C7を購入

Comments are closed.