自作の焼き入れ焼きならし

やっぱ冬にやるもんだねこれは。

小さなVブロックを作ろうと素材を探していたら
ちょうどいいマシンキー(S45C)が手元にあったのですが
圧延?研磨?されているためか
以前、加工した際はとてもよく反りました。

焼きは入っていないはずですが、
表面の加工硬化はしているようです。

今回は先に「焼きならし」をして、
それらの影響を取り除くことになりました。

ついでに他の部品も焼き入れしました。

 

DSC_0159

即席の炉です。
この写真は焼きならし後のものです。(炉だけのを撮り忘れ)

なんと家の中でやってみました。(悪い子も真似しないでね)
いつもは玄関とかコンクリートの上です。
緊急用にステンレス鍋を用意してありますが、
落としたら間に合わないかもしれません。

 

耐火レンガSK32 下の茶色のブロック
ピザとかの窯を作るのによく使われています。
ホームセンターで買いました。
耐火温度 1300℃
熱伝導率 1[W/mK]
3Kg 結構ずっしり。
ノミで全周を叩くと2つに割れますが、基本的にとても硬いです。

 

耐火耐熱レンガ C1 上の白いブロック
電気炉などに使われています。
イソライト社のものが有名です。
写真のは他社製ですが、JIS規格は適合しています。
耐火温度 1300℃(たぶんもっといける)
熱伝導率 0.50[W/mK]以下
軽石みたいに軽く、とっても脆い。
写真の側壁の厚みで65mmです。

のこぎりで簡単に切れますが
研磨剤を切っているようなものなので
焼き入れされた刃でも簡単に舐めってしまいます。

作成中の電気炉の断熱材の端材を流用しました。

 

焼きならし前

DSC_0146

2個のマシンキーを真鍮線で縛ってます。
バーナーで炙ります。
小さいので弱火で十分で
「ボー」でなく「コー」という程度の音で炙りました。

炙りながらカメラ持つのは危ないのでやめときました。

焼きならし後の徐冷(空冷)DSC_0147

保温性が良かったため、真鍮線は溶解してしまいました。
800℃は確実に到達していたことになります。

そのままだと下に炎が回りずらいので
鉄の針金を曲げたものを台にして浮かせました。

赤く光ってとってもきれいです。

焼き入れではないので心に余裕があります。
上の写真で850℃くらいだと思います。
真鍮線の方が明るく光っているのがわかります。

炉の外側温度を測りました。
炉内800℃以上の時で
上板の側面 180℃ (隙間から漏れる熱気によるもの)
側板の外面 40℃
上面  90℃
一番下のSK32 25℃

40℃と測定された側板の外面を触ってみましたが、
実際は体温程度でした。

耐火耐熱レンガC1は今回初めて使用しました。
SK32より断熱性能は高いと思います。

炙っていた時間は5~6分と思います。
途中で真鍮線が溶けて中断したので、はっきりしません。

 

ここで温度の小ネタ
天ぷら油  普通は180℃~200℃で揚げる。   発火点は360℃
紙の発火点 240℃~ 440℃  (幅がある)
灯油の発火点 220℃ (火種があれば40℃で引火)
赤く光るエキゾーストパイプ 600℃~800℃。

 

DSC_0151

一応、800℃まで測れる放射温度計でもチョコチョコ確認してました。

DSC_0167

トリガーを握ると
レーザーポインタで測定箇所の見当がつけられます。
ポインタから3cmくらい下の温度を測っているようです。

瞬間的にトリガーを入り切りすると、
まれに200℃~400℃くらいの異常値が出ることがありますが、
普通にトリガーを引けば問題ありません。
トリガーを引いている間は測定し続けてくれます。

Amazonで買いました。
離れたものの温度測定 -50℃~800℃
精度 ±1.5% + 2℃
(対象の放射率がわかっていればそれを設定することで精度は上がる。)
本体の湿度
本体の温度(環境温度と呼んでいる)
そしてUVライト内蔵(車向けに開発したから?)
K型熱電対付属 -40℃~1000℃
湿度と対象物の温度から計算し、結露するかをランプでお知らせ。
収納バッグ
外人さんが頑張って作った一応日本語の取説
えっとそれから、電池付き。

体温は測らないのが吉です。
目にレーザー入れてはいけないし、体温を測る精度もありませんので。

 

 

バーナーはこれを使いました。
火炎温度1500~1700℃
火口φ16 (火口はすぐに赤くなるけど、さめるのも早い)
フルタイム逆さ使用可
燃焼時間最大90分
2.3kW(2000kcal/h)

ロウ付け用に買いました。
うたい文句通り、熱の集中が高い感じがします。

DSC_0161

 

徐冷完了したマシンキー

DSC_0163-s

内部から炭素やらなにやらが表面に析出して
真っ黒。

 

 

 

焼き入れは…
全然写真を撮ってません。_(._.)_
たいして変わりませんのでスルーしてください。
違いは820~870℃ですぐに水冷することです。
油冷はやったことがありません。

温度は見た目で判断します。
やや明るいオレンジ色870℃、
黄色は行き過ぎ900℃以上、
必ず暗い所で作業します。

焼きが入ったかの確認は
ヤスリのかかり具合で判断しています。
焼き入れしていない同じ材料があるとわかりやすいです。
カッ、カツーっと滑るなら焼きが入っています。
焼きが入っていても表面に浅い傷はできます。(ヤスリの方が硬いので)
深い傷ができるほどなら焼きは入っていません。(殴りつければ別ですが)
焼きの入り具合はプロでも難しいのでうまく言えません。

今回は小さな部品で、力もそれほど加わらないので
焼き戻しは行いませんでした。

D72_8471-s

 

お読みいただきまして、ありがとうございます。

 

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