今回は思いきりハズレを引きましたというネタです。
クランピングキット T10-M8 58pcs を
卓上フライス X-1 用に買いましたので
レビューしたいと思います。
2018/01/24 一番下に追記しました。(重要)
TUKUROOものづくり支援BASEというショップで
8450円でした。
(写真は修正後のものです。)
ステップブロック高さ
小≒29mm
中≒42mm
大≒85mm
ステップクランプの長さ(ワークを押さえる方)
小≒64mm
中≒99mm
大≒147mm
クランピングキットのT10-M8という型式の意味は
T10はT溝幅(Tスロット幅)10mmつまりT溝の呼び10、M8はボルトサイズを意味しています。
(T溝幅は溝の狭まった所の幅です。)
卓上フライスX-1のT溝幅はスペック上は8mmつまりT溝の呼び8、実測で8.1mm
規格では呼び8に対応するスタッドボルトはM6です。
呼び8のT溝に呼び10のTナットを通すことになりますが
ボルトは多少細いものなのでTナットを削ればなんとかなる。
との思いで購入しました。
(M6用の大量クランプセットは現時点では見つかりませんでした。)
届いたものには製造国も社名も書かれていませんでしたし、
型式もありませんでしたが、たぶん中国製だと思います。
届いたものを実測すると、
Tスロットナットは首の部分は9.35mmで、もちろんそのままでは入りません。
M8のスタッドボルトは0.3mmしか余裕がありませんが、テーブルにはそのまま入りました。
ここまで予定通りです。
Tナットは焼きが入っていなかったので、切削しました。M8のナットを8mm幅にしたのでスレッドが浮き出てます。
ちゃんと根元までボルトを入れれば強度的には問題なさそうです。
テーブルが反らないように締め加減する所なので、大丈夫とします…。
幸いにも端でスレッドが止まるようになっていました。
(ボルトが突き通らないのでテーブルの破損が防止されます。)
ボルトはTナットに入るだけ入れれば良いわけです。
ここからが中華製工具のお決まりパターンです。
信じられない作りの雑さをお楽しみください。
(今回は中国製と推測しているだけですが)
下の写真は一番小さいステップブロックです。
見るからに右下がりです。勝手ながら、スタッドボルトとテーブルのT溝幅に余裕がありませんので
ここが斜めっていると困るので修正することにしました。
(お気づきかと思いますが、錆びてる所、変形した所がありました。)
大きいステップブロックの下面を一つ削って、
それを冶具として他のブロックの底を削ることにしました。
結構な背の高さとなるので
切り込み量を抑えて慎重に削りました。
(大きいステップブロックの高さは84mmくらいです。)
ステップブロックは12個もあるので大変でしたが、
みな0.03程度に収まりました。(その精度でいいのかは?)
精度の良いペアを組み合わせればブロックとして使えます。
当然のごとくステップクランプにもこんなのが1本ありました。
まともに見えるものでも、鍛造というか打ち抜き?で作られている様なので
ヘリに盛大な出っ張りがあります。→ヤスリで成形。
ようやくクランプにこぎつけました。が…
背の低いワークではスレッドが足りず、ナットがかかりません。
スタッドボルトが全ネジでないためです。
このクランプセットに限った話ではないようですが、
気の利いたスタッドボルトはネジ部の長さを上と下で変えてあるものもあります。
とりあえず今回は…ステップブロックの傾きを修正した甲斐もあって
しっくり固定できました。
S45CのM8だとちょっとバネレートが高い感じです。
これまでSS400のM6を使っていたので締めすぎに注意していましたが
これからは緩まないよう注意が要りそうです。
でもM6よりは締め具合がわかりやすいです。
ちなみに、
これまではプロクソンの
ミニ高さ自由クランプを使っていました。
ただ、力不足感があったので、補助的にシャコ万等も併用していました。
ステップの水平は左右端で0.01mm未満の差なので精度は良いのですが、
ワーク高さ20mmまでしか対応できないので小物専用です。
(注) 写真のTスロットナットはプロクソンのものではありません。
今回購入したクランピングキットは
はっきり言って素材でした。
品質から考えると割高に思えます。
ちゃんとしたクランピングキットは結構しますので…。
判断材料になれば幸いです。
追記 2018/01/27
安物クランプなんてこんなもんだろうと思っていましたが
調べるとそうでもない様子。
この手のクランピングキットは似ているものが結構ありますが
ハズレを引いたようです。
追加の不具合を発見。
上の写真のものは
ステップを正しく噛ませると、上を向いてしまいます。
水平か、わずかに下を向くのが正しいはずです。
しかたなく、先端少し手前を削りました。
それでもスタッドボルトが傾きすぎになってしまいます。
球面座金買わないといけません。
角度バイスを使った際についでに加工しました。(123ブロックにネジ止め。)
それから、これは予想でしかないのですが
旋盤市場のF400専用 M8スタッド仕様
これがアタリだったんじゃないかと思います。
同じような価格ですが、写真で見る限りは良さそうです。
保証はできませんが
ちなみに、旋盤市場からはコレットを買ったことがありますが
良い品で満足してます。
下の写真のように長孔上下が段付きで
長孔周辺の縁がだれているものが今回のクランプの特徴です。
この手のは避けた方がよさそうです。ハズレを引かないようにご注意を。
(追記 2018/01/27 ここまで。)