いろいろ改造をしている卓上ボール盤ですが
今回はテーブル裏を埋めました。
ボール盤のテーブル裏側にはリブが立っています。
穴の縁も若干肉がもってあります。
ですが、強度があっていいね! とはなりません。
なぜなら、こんなに凸凹だと、まともにクランプできるのは僅かな領域だけだからです。
当て木をするのも面倒ですし、ストレスなくクランプしたい!
可変速に改造したせいでトルクが小さく、
いつも6mm以上の穴は3mmで下穴を空けてます。
(持っているドリルが安物で振れがあるのも理由の一つ、小径のドリルは振れが少ないので)
ワークがドリルの方に倣うようワークの固定を緩めておき、
プレス(ドリルの押し付け)してワークが安定した所でクランプするようにしたいのですが
シャコ万ではできませんでした。
通常のC型ロッキングプライヤーでならそれができます。
テーブル穴に固定するボール盤用ロッキングプライヤーも売られていますが
レビューを見ると卓上フライスにはちょっと大きいようです。
というわけでテーブル裏を埋めてしまうことになりました。
素材(フィラー)はエポキシグラナイト(エポキシ+珪砂+ガラスビーズ)です。
振動吸収や補強の意味は一切なく、単なる詰め物として使用しました。
表面はテロテロしてますが、カッチカチです。
珪砂が顔を出さないようエポキシの量を少し多めにしときました。
取り付けのボルトが入らない事に途中で気付き、完全に固まる手前でスプーンでえぐりました。
砂利を入れなくてよかった。
固まった後でも百均の彫刻刀でえぐることはできそうです。(面倒でしょうけど)
各穴の縁はカッターで削りました。(珪砂が入っているので刃はボロボロになりました。鉄より硬いので)
C型ロッキングプライヤーです。2つ持っています。(2つ使うと最強です。)
これで、テーブル上のどこでもクランプできるようになりました。
石のように硬いので穴の縁でも強度は十分。(弾性は全く感じません。)
エポキシ面がツルツルなのでヤスリで荒らしても良いかもしれません。
反省点
穴の型(中子)として紙粘土を使ったので、石膏がエポキシを吸ってしまった箇所があり、
削り出すのが面倒でした。
シリコンでも塗っておくんだった…。
エポキシグラナイトはコップによるテストからはじめて今回で4回目、
だいぶわかってきたつもりでしたが、
硬化前にヒーター上で温めたらこぼれてしまい慌てました。
かなりぎりぎりまで入れましたから、表面張力で盛り上がっていた分が熱で流動性が上がって流れ出したようです。
作り方
半分ずつ2回に分けるのがベスト
そうすると、調整がしやすいだけでなく処分に困る余りも減らせます。
1回目で砂とエポキシの混合量を失敗したとして、半分+αになってしまっても
2回目で半分-αすればよいのです。
そして、2回目では勘が働くので、精度が上がります。
— 手順 —
写真はいきなり流し込み後のものです。余裕がなくて_(._.)_。
テーブルの穴、ボルトの穴となる所を埋めておく。
紙粘土を使う場合は乾いたら、縮みによって隙間ができるので、シリコンシーラントで埋める。(テーブルの表面に滲むと大変)
そして紙粘土自体もシリコンシーラントでコーティングすべし。(今回の教訓)
エポキシA液(主液)を温めておく。(40℃くらい。あとで泡抜けのために粘度を下げとく)
テーブル本体も温めておく。(上と同じ理由)
珪砂をヒーターで熱する。(水分を飛ばす、水分は泡の発生につながる)
1回目
珪砂をバケツに出す。
そこにガラスビーズを投入。(目見当)
ガラスビーズは珪砂の隙間を埋めるために入れてます。
なので、よく混ぜてもガラスビーズが微妙に確認できるくらいまで入れます。
よく混ぜては調整を繰り返し。
エポキシ樹脂A,B液をコップで混合
A液 40g + B液 20g (1回分)
超重要:誤差3パーセント以内(0.1gが計量できるデジタルはかり使用)
超重要:へらでこれでもかと混ぜる、棒ではだめ。空気は入れないように。
(これらを守らないと、いつまでも中途半端に固まった状態に…)
重要:B液の計量はA液が入っているコップに計量器をゼロリセットして行う。
(A,B液は粘度が異なるので別々にコップを用意して計量するとコップに残る分の差が影響する。)
できたエポキシ混合液を空のバケツに投入
そこへ先ほどの珪砂+ガラスパウダーを少しずつ投入。
砂の乾いている所が無く、かと言ってジャブジャブの少し手前。
調整できたら型ならぬテーブルに流し込む。
間髪おかずに2回目も同様に。
数時間後、影響ない所をおっかなびっくり触ってみて、固まっていたら
ヒーターで70℃くらいに数十分熱する。
(反応の促進と残ったB液の揮発?)
1日後
紙粘土とシリコンを除去。(ドリル+リューター+やすり)
2日後
使い始めて大丈夫だと思う。(たぶん)
数日使う必要が無かったのでどの時点で使用強度まで到達したのかは不明。
材料
珪砂
5号 ホームセンターで10Kg 500円前後
ガラスビーズ
ビーズと言っても手芸用の穴の開いたやつではなくてサンドブラスト用の研磨材、見た目はパウダー
粉が飛ぶので目に入らないように注意!
フジガラスビーズ 粒度は#320とかその辺りでOK。
ガラスでもHV550あるのでSKHハイスには若干劣るもののS45Cの倍、SKT6くらいの硬さがある。
フジランダムA(砥石の研磨材)の方が硬いのでそっちの方がおすすめ。
モノタロウにて購入しました。
こんな記事もあります。
卓上ボール盤 低速化
よろしかったらどうぞ。
2 thoughts on “卓上ボール盤 テーブル裏を埋める (エポキシグラナイト再び)”
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